新たな命が生まれる この場所で、「人生」が交差する

第73回ベルリン国際映画祭審査員特別賞、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023観客賞

レア・フェネール監督(『愛について、ある土曜日の面会室』)作品

助産師たちの夜が明ける

8月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

オトクなデジタル映画鑑賞券

  • 後援:公益社団法人日本助産師会

解説

5年間の研修を終えたルイーズとソフィアは、念願の助産師として働き始めるが、その期待に反するように緊張感が大きくのしかかる。貧困、移民、死産・・・様々な事情を抱えて訪れる人々。オーバーワークとストレスに押しつぶされそうになりながらも、新しい命に出会う日々の喜びが助産師たちの結束を強めていくのだった――。

本作は、若い助産師たちが出産に立ち合い、突きつけられる現実に驚きながらも成長してゆく様を、ドキュメンタリーのようなリアルなタッチで描いた感動作だ。実際の出産シーンを織り交ぜながら、観客がその場に立ち会っているかのような臨場感で描きだす。

監督は『愛について、ある土曜日の面会室』(2009)がヴェネチア国際映画祭正式出品を始め、ルイ・デリュック賞等受賞のレア・フェネール。自身の家族の体験を基に、フランスのみならず、どこの国でも誰もが直面する普遍的なストーリーに、熱い共感の声が寄せられている。

2023年/フランス/100分/カラー

  • 監督:レア・フェネール
  • 出演:エロイーズ・ジャンジョー/ミリエム・アケディウ
  • 原題:Sages-femmes 英題:MIDWIVES
  • 日本版字幕:松岡葉子
  • 医学用語字幕翻訳協力:田辺けい子
  • 宣伝デザイン:日用 宣伝広報:スリーピン 原田徹 Webデザイン:竹内健太郎

物語

あるフランスの産科病棟
戦場のような日々のなか、
助産師たちは悩み、喜び、
生まれくる命を見つめ続ける

新人助産師の初出勤
ようこそ、過酷を極める助産師の世界へ

あるフランスの産科病棟。念願の助産師の仕事に就いたソフィアとルイーズが初出勤すると、そこには想像を超える壮絶な仕事場が待っていた。常に何人もの担当を抱え走り回る助産師たち。ケアされるための十分な時間がないなか運ばれてくる緊急の産婦たち。患者の前で感傷的になるな、とルイーズがベテラン助産師ベネに厳しく叱責される一方、ソフィアは無事に出産を介助し周囲の信頼を勝ち得ていく。そんなある日、心拍数モニターの故障から、ソフィアが担当した産婦が緊急帝王切開となり、赤ん坊は命の危険にさらされる─。さらには産後行くあてのない移民母、未成年の出産、死産したカップル…生と死が隣り合わせの現場で、二人は一人前になれるのだろうか?

監督

監督/脚本 レア・フェネール Léa Fehner

1981年10月15日フランス・トゥールーズで、移動劇団の家族に生まれる。フランスの国立映画学校La fémisで映画制作と脚本を学ぶ。学生時代、カンボジアで映画監督リティ・パンに師事。初監督作品『愛について、ある土曜日の面会室』(2009年)は2009年のヴェネチア国際映画祭やドーヴィル・アメリカ映画祭を始め数々の映画祭で受賞。ルイ・デリュック賞新人監督賞を獲得、セザール賞にもノミネートされた。長編第二作‟Les Ogres”(2016年)がロッテルダム国際映画祭でビッグ・スクリーン賞受賞。その後、2022年サンセバスチャン映画祭で受賞したディナラ・ドルカロヴァ監督の “Woman at Sea”など、複数の作品の脚本に関わる。

フィルモグラフィ
2007年 “Sauf le silence” (短編)
2009年 『愛について、ある土曜日の面会室』
(2012年日本公開/原題:Qu'un seul tienne et les autres suivront
2016年 “Les Ogres”
2023年 『助産師たちの夜が明ける』(原題:Sages-femmes

キャスト

  • ルイーズ役 エロイーズ・ジャンジョー Héloïse Janjaud

    1994年生。フランス人。2018年から2021年、フランス国立芸術演劇学校で学ぶ。在学時から数々の舞台、短編・長編映画、テレビシリーズに出演。出演映画にネットフリックス配信作『危険な関係』(LES LIAISONS DANGEREUSES)』(2022年/ラシェル・スイサ監督)などがある。

  • ソフィア役 カディジャ・クヤテ Khadija Kouyate

    1996年生。『助産師たちの夜が明ける』で注目される。次回作にソフィ・フィリエールの遺作”Ma vie ma gueule”(2024年第77回カンヌ国際映画祭・監督週間部門オープニング作品)、舞台出演にマシャ・マケイフ(Macha Makeïeff)演出の『ドン・ジュアン、またの名を石像の宴』(“Dom Juan”)がある。

  • ベネ役 ミリエム・アケディウ Myriem Akheddiou

    1978年9月28日ベルギー・ブリュッセル生まれ。日本公開作に、ダルデンヌ兄弟の『少年と自転車』(2012年公開)、『サンドラの週末』(2015年公開)、『その手に触れるまで』(2020年公開)。近年日本公開作に『TITANE/チタン』(2022年公開)がある。

コメント

※順不同

  • 新しい命が無事に産まれ安堵し、1分後には心臓を押しつぶされそうな重圧。感情のジェットコースターにいつの間にか自分がすり減る毎日。誰にでも暗い暗い夜が来る。挫折や苦悩は計り知れない。しかし夜は必ず明ける。この映画は、全助産師を抱きしめる讃歌だ。

    おたんこ助産師
    (現役助産師インスタグラマー。作家。イラストレーター。)

  • 事前に想像してものとは全く異なる内容で、監督や俳優の力量・熱量を感じずにはいられなかった。小さな病院内で、人間の生死に誰よりも多く立ち会ってきた者たちの真摯な生きざまに、ぼくは強く胸を打たれた。

    石川直樹(写真家)

  • 命にまつわる切実な思いが交差する場で、働く人間を「部品」のように扱う社会は果たして望ましいものなのか?助産師たちの姿を通して、「生きる」の根幹を問う映画だ。

    安田菜津紀
    (メディアNPO Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)

  • 産婦人科での息つく暇もない処置につぐ処置を秒刻みで描きつつ、マザリング、移民問題、さらには助産師の労働運動にまで振っていく。妊娠と女性身体というテーマに沿った映画として、『コール・ジェーン』に匹敵する今年度の重要作。

    荻野洋一(映画評論家)

  • 女性や家族を尊重したい、大切にしたい、気持ちに寄り添いたい、そして仲間も大切にしたい、だけどできない環境の中でもなんとかして踏ん張っている助産師の姿は、かっこいい。映画のなかの助産師の気持ちは世界共通です。

    髙田昌代(公益社団法人日本助産師会 会長)

  • 新たな命の誕生を緻密な正確さで助けるプロ中のプロたちも、弱点はもちろんある人間。優しく弱いが強い「助産師たち」の互いを信頼しあう瞬時の決断の幾つものドラマを私たちは目撃し続ける。あまりにも濃厚な100分。

    馬場敏裕(サウンドトラック・ナビゲーター)

上映情報

地域 劇場名 公開日 備考
東京都 ヒューマントラストシネマ有楽町 2024/8/16(金)〜
神奈川県横浜シネマリン2024/9/14(土)〜
神奈川県川崎市アートセンター2024/8/31(土)〜
北海道シアターキノ2024/9/7(土)〜
栃木県小山シネマロブレ2024/10/25(金)〜
栃木県宇都宮ヒカリ座2024/11/22(金)〜
青森県シネマディクト2024/9/28(土)〜
愛知県ナゴヤキネマ・ノイ【近日公開】
京都府アップリンク京都2024/9/27(金)〜
大阪府テアトル梅田2024/9/27(金)〜
兵庫県シネ・リーブル神戸2024/9/27(金)〜
山口県シネマポスト2024/11/2(土)〜
宮崎県宮崎キネマ館2024/9/20(金)〜

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