2023年サンダンス映画祭ワールドシネマ部門正式出品、2023年クラクフ映画祭最優秀ソーシャル・イシュー映画賞、2023年ミルウォーキー映画祭審査員特別賞他

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023上映作品

『わたしの物語』

「ありのままで生きる

文部科学省選定 一般非劇映画/少年・青年・成人・家庭向き

原題:Is There Anybody Out There?
監督・出演:エラ・グレンディニング
製作:ナターシャ・ダック/ニッキ・パロット
/リサ・マリー・ルッソ/マーク・トーマス

2023年/イギリス/カラー/87分/ドキュメンタリー
日本版字幕:杉山 緑
宣伝デザイン:loneliness books 潟見陽 
パブリシティ:スリーピン 原田徹
各地域編成協力:ミカタ・エンタテインメント
© HOT PROPERTY ITAOT LIMITED 2023

6月22日(土)より新宿K’s cinemaにてロードショー‼

公開記念トークイベント決定決定!新宿K’s cinema、6月22日(土)/23日(日)

イントロダクション

“わたしと同じような脚の人っている──?”

極めてまれな障がいを持つ気鋭の女性監督、
エラ・グレンディニングが
4年にわたり自ら撮影・監督した
類まれなる“セルフ・ポートレイト”ドキュメンタリー

股関節がなく、大腿骨が短い20代のイギリス人映画監督エラ・グレンディニング。「障がい」を意識せず伸び伸びと育てられたが、「自分だけ異質」という感覚がぬぐえない。好奇の目線を無遠慮に投げかけてくるこの世界で、自分を肯定するためには何が必要か?その答えを求め、エラはSNSを通じ‟自分と同じ障がいがある人”を探すことにした。撮影中の予期せぬ妊娠、出産、子育てや、シングルマザーの母への率直な問いかけ、子どもを連れての渡米など、エラが経験する様ざまな出来事や思いが丁寧に綴られる。母となったエラは何を考えるのだろうか?果たして目標は達成できるのだろうか?自分らしい生き方を模索する、4年間に及ぶ旅路を記録したセルフ・ドキュメンタリー!

<障がい者差別(エイブリズム)>が蔓延する世界で
すべての“わたし”に投げかけられる力強いメッセージ

障がいの“治療”のため、大きな手術を何度も受ける子どもたちの姿に直面したエラは、「このままではいけないのだろうか?」と改めて悩む。四肢延長と再建手術の国際的権威、ペイリー医師は「治療すれば」と言う。障がいの“治療”と一体となって存在する〈障がい者差別(エイブリズム)〉に対峙するエラ。その常に前向きであろうとする姿からは、差別に反対する明確なメッセージが受け取れる。翻ってそれは「普通」とは何か、「非障がい者」が優先される社会とは何かを問うものだ。また一方で、今を生きるすべての“わたし”にエールが送られているような深い感動を呼び起こす本作は、サンダンス映画祭をはじめとして各国の映画祭で高い評価を得た。

作品概要

“わたし”が“わたし”を肯定するために
4年間におよぶ “わたし”の物語

股関節がなく、大腿骨が短い20代のエラ・グレンディニング。彼女の障がいは珍しいため、同じ外見の人には出会ったことがない。そこでエラは、SNSを通じて自分と同じ障がいを持つ人を探すことにした。“わたしと同じような脚の人っている?”とfacebookに書き込み。エラは自分と同様、両脚に障がいがある「大人」を見つけることにこだわっている。こうして2018年、エラの‟自分と同じ障がいを持つ人をSNSで探す旅“が始まった。そんなある時、マッチングアプリで出会ったパートナー、スコットとの子を妊娠していることがわかり…シングルマザーとしてエラを育てた母や、親友であり自閉症のナオミ、SNSを通じた“人探し“によって知り合えた、障がいのある仲間たちとの出会いを通して、エラは新しい世界と自分を知っていく。脚を切断し、子どもの「障がい」を「治療」するべきか悩む親たち、「治療すれば人生は劇的に改善される」と言う医者。はたして「わたしのからだ」は「治療」しなければならないのか ?<障がい者差別(エイブリズム)>が根強いこの社会で、エラが自分を肯定するために出した一つの答えとは。

出演/監督

エラ・グレンディニング
Ella Glendining

1992年1月13日生まれ。「本当の障がい者の物語を伝える」ことを信条に活動する脚本家、監督。ドキュメンタリーとフィクションの垣根を超えて活躍。2018年から22年までBFI(British Film Institute/英国映画協会)の障害者スクリーン諮問グループ(Disability Screen Advisory Group)メンバー。スクリーン・インターナショナル(Screen International)による”Stars of Tomorrow 2020”に選出される。これまでに、アーツ・カウンシル・イングランド、ナショナル・パラリンピック・ヘリテージ・トラストなどより数々の支援を受け、短編映画の脚本と監督を手がける。短編映画“Like Sunday”(2017年)では、初脚本・監督・主演。初長編監督作となる『わたしの物語』は、BFI Doc Society、Chicken and Egg Pictures、クリエイティブ・スコットランドの支援を受け製作された。現在、障がい者を主人公とした長編歴史ドラマと、脚本、共同監督、主演も務めた短編コメディ・ドラマ‟Pyramid of Disunion”を製作中。俳優としても活躍している。

コメント

※順不同

  • 前向きさ、希望と不安を分かち合おうとする姿勢、そしてエイブリズムをストレートに表現した作品。私たちがいまだ、障がいを進んで受け入れるのではなく「治す」べきだとみなしていることを、鋭く論証し、強く心に響きかける。

    Screen Daily

  • 冷静な誠実さと知性で、障がいがある20代の女性としての経験を記録した稀有な作品。

    Guardian

  • 障がい者差別と、他者とのつながりを模索する姿を記録した、親密で愛すべき映画。 障がいの「治療」の必要性に疑問を投げかける。

    Sight and Sound

  • 踊って、絵を描いて、友だちとワインを飲み、子育てする。ただのありふれた毎日なのに、どうして障害者のことになると、大変、かわいそうと言われるの? 障害を否定したり、神聖化するのではなく、ありのままの一人の女性のドキュメンタリー

    伊是名夏子(コラムニスト)

  • 冒頭から愛おしいほどありのまま全開。
    テーマは深くシリアスだがチャーミングでパーフェクトな作品。

    障がい者自身が
    「わたしはこのままではいけないのか?」と
    エイブリズム(非障害者優先主義)に問いかける。

    自分自身の「生」の肯定の物語。

    門秀彦(作家)

  • 「自分の体が好き」と肯定しながら、「自然分娩で一人前になれる気がする」と“普通”にこだわるエラ。それでも仲間との対話の中で何が“障がい”を作り出しているのかに気づいていく。彼女の旅を追体験しながら、わたしの中の“障がい”と“普通”の壁が溶け出していくのを感じた。

    浜田敬子(ジャーナリスト)

  • 外に出ると異星人の気分

    平凡なカップル、ありのままの親子、そこに健常者のヒーローは登場しない。

    ”同じ体の形” を探し求める彼女の姿に何度も何度も共感した。
    でも、誰かと同じであることを求めるのは
    いつだって社会ではないだろうか。
    「障害」は「何処にあるか」を改めて考え、見つめるためにこれ以上はない傑作。

    さしみちゃん(DJ・インフルエンサー)

  • 歌っていても
    子育てをしていても
    ただ生きているだけで
    欠けている自分に気付かされる
    そして仲間の大切さを知る
    愛する人に救われる
    「でこぼこじゃない世界なんて味気ない」
    と言ってくれる主人公の真の言葉に胸が詰まり
    ぽろぽろ涙がでた。
    少しずつでいいから自分を好きになろう!と思える映画です。

    一青窈(歌手)

  • この世界は障害者をただの人にしておいてはくれない。自分は何者で、どのように生きるべきなのかを常に問うてくる。この作品は、その理不尽さと残酷さに立ち向かうエラの冒険の記録だ。冷静だけど勇敢で、穏やかだけど熱いエラの姿がこの目に焼きついて離れない。

    トミヤマユキコ
    (マンガ研究者/東北芸術工科大学准教授)

  • 手の届かないスイッチとスイッチに届かない手、どっちが間違っている?
    窮屈でムリヤリなのは社会のほう。
    わたしたちのエイブリズムを見つめ返すエラの視線が、わたしに光と力をくれる。
    わたしは唯一絶対無二だけど、たった独りじゃないんだ。

    市川沙央(作家)

  • 障害の軽減、改善への願いは、時に障害を否定すべきものとして捉える価値観と表裏をなす。
    自身の体の異形性を肯定するエラは、手術によって「正常」なものに近づけようとする動きに警鐘を鳴らす。
    本作は、今後発展させるべき障害観の学びのテキストである。

    二通諭
    (札幌学院大学名誉教授/
    一般社団法人障害映像文化研究所顧問)

上映情報

地域 劇場名 公開日 備考
東京都新宿K’s cinema2024/6/22(土)〜
東京都シネマ・チュプキ・タバタ2024/10/17(木)〜10/29(火)*16日(水)、23日(水)、30日(水)休映
神奈川県シネマ・ジャック&ベティ2024/9/7(土)〜9/13(金)
北海道シアターキノ2024/9/13(金)のみ
栃木県小山シネマロブレ2024/7/12(金)〜
栃木県宇都宮ヒカリ座2024/8/30(金)〜
愛知県あいち国際女性映画祭20242024/9/6(金)のみ16:30~ 会場:ミッドランドスクエア シネマ2
愛知県シネマスコーレ2024/10/12(土)〜10/18(金)
京都府アップリンク京都2024/8/9(金)〜
大阪府第七藝術劇場2024/7/20(土)〜
兵庫県元町映画館2024/7/27(土)〜8/2(金)連日10:00〜

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