監督:エレネ・ナヴェリアニ
原作:タムタ・メラシュヴィリ 「Blackbird Blackbird
Blackberry」
出演:エカ・チャヴレイシュヴィリ/テミコ・チチナゼ
原題:Shashvi shashvi maq'vali
英題:Blackbird Blackbird Blackberry
2023年/ジョージア=スイス/カラー/ジョージア語/110分 (C) -
2023 - ALVA FILM PRODUCTION SARL - TAKES FILM LLC
協力:大阪アジアン映画祭
日本版字幕:草刈かおり 宣伝デザイン:日用 宣伝広報:平井直子
地域劇場編成協力:ミカタ・エンタテインメント
大森隆太
配給:パンドラ
解説
48歳・独身・女性。
他人は勝手に憐れむけど、
私は幸せ。
ジョージアの新進女性作家 タムタ・メラシュヴィリ原作の
大ヒット小説をもとに描かれる、奇妙な青春物語
東ヨーロッパ、ジョージアの小さな村に暮らす48歳の女性エテロは、結婚したいと思ったことは一度もない。両親と兄を亡くし、日用品店を営みながらひとりで生きてきた彼女は、自分で摘んで作るブラックベリーのジャムと同じくらい、独身の暮らしを愛している。しかし彼女が未だにひとりでいるのは村の女たちの噂の的だ。ある日、エテロは崖から足を踏み外し危険な目に遭う。死を意識したエテロは、突発的に人生で初めて男性と肉体関係を持つ。そこから彼女の人生は変わりはじめる・・・。原作“Blackbird Blackbird Blackberry”は、ジョージア人の作家であり、フェミニズム活動家のタムタ・メラシュヴィリによる大ヒット小説。人生の後半期を前にして突然動き出した運命に、静かに力強く挑み、愛さずにはいられないエテロの姿を、ポップにオフビートに描きだす。世界の映画祭を席巻した小さな大傑作。
これまでにない女性のキャラクターが
抜群の存在感でスクリーンに登場!!
エテロを演じるのは、ジョージアで主に舞台を中心に活躍してきた俳優エカ・チャヴレイシュヴィリ。淡々と日々の生活を送りながらも、村の女たちとは一線を引き、自分の生活を守ろうとする、寡黙で独特な愛すべきキャラクターを、圧倒的な存在感で演じる。豊満な身体のエテロは、常に堂々と自分に満足し、恋人に媚びることもない…。彼女が自由を貫こうとする姿には、「自分らしく生きたい」と願うすべての人を祝福する強いメッセージが込められている。
毒っ気がありつつも憎めない粒ぞろいのキャラクターたち
ひとりの女性の生き方をポップに描き出し、各国の映画祭を席巻!
集まっては悪口に興じる村の女たち、都会の女性同士のカップル、ロック音楽にはまるティーンエイジャーなど、様々な立場の個性的な女性が登場。カラフルでかわいいジョージアのケーキや、素朴なインテリアなどが全体をポップな印象で包み込む。アキ・カウリスマキを彷彿とさせる微妙な距離感やテンポで、中年の「性」を正面から大胆に描く衝撃作がついに公開!
物語
ある日、ジョージアの小さな村に住む48歳のエテロは、ブラックベリー摘みの最中、美しい声でさえずるブラッグバード(黒ツグミ)に吸い寄せられるように、崖から足を踏み外し転落してしまう。何とかひとりで崖から這い上がったエテロは臨死体験をした。それは、村人たちが自分の遺体を川から引き揚げるところを目撃する、というもの。
自分の店に戻り手当てをしていると、いつものように配達員のムルマンが仕入れ品を持ってやって来た。商品を棚に並べるムルマンの首筋、腕、顔…その姿をじっと見つめるエテロ。彼女はそのまま人生で初めて男性と肉体関係を持つ。そして、その時を境に彼女の運命が変わり始める…!
エテロのもとに訪れた、ささやかで大きな変化…彼女は果たしてどんな将来を選択するのだろうか?
スタッフ
監督 エレネ・ナヴェリアニ Elene Naveriani
1985年ジョージア生まれ。現在はスイス在住。2003年、絵画専攻でトビリシ国立芸術アカデミーを卒業。ジュネーブ造形芸術大学でキュレーションについて学んだ後、映画を学び始める。卒業制作の「GOSPEL OF ANASYRMA」(2014)が、高く評価された。初長編「I AM TRULY A DROP OF SUN ON EARTH」(2017)はロッテルダム映画祭で初上映され、数々の賞を受賞。短編「RED ANTS BITE」(2019)がスイス映画賞最優秀短編映画賞にノミネート。短編ドキュメンタリー「LANTSKY PAPA’S STOLEN OX」(2018)はベルフォール国際映画祭で最優秀短編映画賞を受賞するなど国際的評価を受けた。2021年、2作目の長編映画「WET SAND」が同年にロカルノ国際映画祭で世界初上映され、最優秀主演男優賞を受賞した。
原作 タムタ・メラシュヴィリ Tamta Melashvili
1979年生。ジョージア人の作家でありフェミニスト活動家。トビリシ在住。トビリシ国立大学で教鞭を執る。中央ヨーロッパ大学(ブダペスト)でジェンダー研究を行う。2010年、デビュー作「Counting Out」を出版し、批評家から「新しく非常に個性的な声」と絶賛され、2011年にはジョージアで最高の文学賞であるSABA賞を受賞した。本作はドイツの独立系出版社による2012年のホットリストのベスト10にノミネートされたほか、2013年にドイツ青少年文学賞を受賞した。「Counting Out」はドイツ語、クロアチア語、ロシア語、アルバニア語、英語に翻訳されている。第三作目にあたる「Blackbird Blackbird Blackberry」は2021年のジョージアにおけるベスト・セラー小説であり、2021年にSABA賞年間最優秀小説に選ばれている。
撮影 アグネス・パコズディ Agnesh Pakozdi
元経済学者。現在はベルリンを拠点に活動。ベルリン芸術大学で映画とビデオアートを学び、ベルリン・ドイツ映画テレビアカデミーで撮影を専攻。『インフィニティ・プール』(2023年/ブランドン・クローネンバーグ監督)の撮影部門に携わったほか、TVシリーズ「ピッチ・パーフェクト: バンパー・イン・ベルリン」(2022年)をはじめとして、これまでに数多くの長編映画、TVシリーズ、ドキュメンタリー、やアートプロジェクトで撮影監督を務めるている。なおこれまでのナヴェリアニ監督のすべての劇映画で撮影監督を務める。「I Am Truly a Drop of Sun on Earth」(2017年/エレネ・ナヴェリアニ監督)でバリャドリード国際映画祭最優秀撮影賞を受賞。
キャスト
エテロ役 エカ・チャヴレイシュヴィリ Elene Naveriani
1970年10月3日生まれ。ジョージア映画大学ショタ・ルスタヴェリ劇場で演技学部卒業。1995年からバトゥミ・ドラマ劇場の俳優に。これまでに約13の舞台に出演「Nugzar & the Mephistopheles」では最優秀女優としてアジャリア演劇協会賞を受賞。約7本の映画とテレビシリーズで印象的なキャラクターを演じている。
ムルマン役 テミコ・チチナゼ Temiko Chichinadze
1966年7月2日生まれ。ジョージア映画大学ショタ・ルスタヴェリ劇場・演技学部卒業。1986年よりルスタベリ国立劇場のアーティストとなる。「Do We Look Like Refugees?!」で、2010 年エディンバラ・フェスティバル・フリンジ (Edinburgh Festival Fringe)の最優秀演技賞を受賞。出演作に『花咲くころ』(2013年/ナナ・エクフティミシュビリ=ジモン・グロス監督)など。
海外評
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映画における女性のポートレートの
最高傑作のひとつFilm Review Daily
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新しいフェミニストのヒロイン!
Variety
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痛い。
けれども、とてつもなく優しい物語Verdict
-
力強い脚本。素晴らしい演技
We Love Cinema
-
アキ・カウリスマキの『枯れ葉』を思わせる
大胆な色使いと陰影。
ロマンスを穏やかだが
紛れもない社会批評の中に位置づけるSight and Sound
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エテロ役の
エヴァ・チャヴレイシュヴィリの
見事な演技が、強く印象に残るEye for Film
-
孤独と愛のすばらしく優しい物語
Guardian
公開記念タイアップキャンペーン
映画
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』
×
季節のジャム工房 Miジャム
① 初日限定プレゼント
エテロが愛してやまない ブラックベリーを使った映画オリジナル・ミックスジャムをプレゼント!
公開初日、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にて抽選で計60名様に!
② 半券提示で200円割引!
映画半券提示でMiジャムさんの商品ご購入時200円割引!
*2025年3月末日まで。1回限り有効。
*webチケットご購入の場合は確認メールの提示も可能。(メール紛失の場合、劇場は対応いたしかねます。)
*Miジャムさんのイベント出店時のみ対応。Miジャムさんの販売サイトではご利用できません。
上映情報
地域 | 劇場名 | 公開日 | 備考 |
---|---|---|---|
東京都 | ヒューマントラストシネマ有楽町 | 2025/1/3(金)〜 |
1/17(金)~1/21(火)&1/23(木) 1/22(水)のみ |
東京都 | アップリンク吉祥寺 | 2025/1/3(金)〜 | 1月11日(土)14:50の回上映終了後トークイベント決定! |
東京都 | シネ・リーブル池袋 | 2025/1/31(金)~ | |
神奈川県 | 横浜シネマリン | 2025/1/25(土)〜 | |
神奈川県 | あつぎのえいがかんkiki | 2025/1/31(金)〜 | |
神奈川県 | 川崎市アートセンター | 2025/2/1(土)〜 | |
千葉県 | キネマ旬報シアター | 2025/2/15(土)〜 | |
北海道 | シアターキノ | 【近日公開】 | |
岩手県 | フォーラム盛岡 | 【近日公開】 | |
宮城県 | フォーラム仙台 | 2025/1/31(金)〜 | |
山形県 | フォーラム山形 | 2025/1/31(金)〜 | |
福島県 | フォーラム福島 | 2025/2/7(金)〜 | |
栃木県 | 小山シネマロブレ | 2025/2/14(金)〜 | |
群馬県 | 前橋シネマハウス | 2025/2/8(土)〜 | |
静岡県 | 静岡シネ・ギャラリー | 2025/2/7(金)〜 | |
愛知県 | ナゴヤキネマ・ノイ | 2025/2/15(土)〜 | |
長野県 | 上田映劇 | 2025/1/31(金)〜 | |
長野県 | 塩尻東座 | 2025/2/8(土)〜 | |
長野県 | 長野千石劇場 | 【近日公開】 | |
石川県 | シネモンド | 【近日公開】 | |
京都府 | 京都シネマ | 2025/1/10(金)〜 | |
兵庫県 | 元町映画館 | 2025/2/8(土)〜 | 2/8/(土)~24日(金) 14:00〜 |
大阪府 | 第七藝術劇場 | 2025/1/18(土)〜1/30(木) | 1/18(土) 18:00〜 |
山口県 | 山口情報芸術センター | 【近日公開】 | |
福岡県 | KBCシネマ | 2025/1/31(金)〜 | |
大分県 | シネマ5 | 2025/2/15(土)〜 | |
佐賀県 | シアターシエマ | 【近日公開】 | |
熊本県 | デンキカン | 【近日公開】 | |
鹿児島県 | ガーデンズシネマ | 2025/2/17(月)〜 | |
沖縄県 | 桜坂劇場 | 2025/2/15(土)〜 |
コメント
※順不同
ポスターでエテロを見て、なんだか見たくなった!
この主人公、毎日を容赦なく受け入れ生きる、
見てる私をニンマリさせてくれる。
そして画中2回ほど死を実感するんやけど、
これ程感情に流されずきたはずのエテロの眉毛が!
私は感激どころで収まらないほど感極まった。
絶対見てちょんまげ!
綾戸智恵 (ジャズシンガー)
いやな奴ばかりの田舎町で、孤高を貫くエテロ。死の恐怖を味わい、性愛の喜びを知り、蔑まれながらも光を増していく。女性についてのいくつもの真実がちりばめられ、とくに肉体にまつわる固定観念をぶち壊しながらラストへと突き進む。ささやかながらも偉大な傑作!
山内マリコ (小説家)
ひとりで、きちんと自分を生きてきたから、エテロにはブラックベリーの実も愛も見つけられる。彼女はこの先の人生も、きっと好きに暮らすだろう。それがどんなに厳しく孤独で尊い生のあり方か、女たちは身に沁みて知っている。エテロ最高!
松尾亜紀子 (エトセトラブックス代表、編集者)
ルネサンス絵画のような瑞々しい色に彩られたシーンにぐっときて、切ない話にきゅんとして、素朴なミルフィーユとでも言うべきナポレオンが食べたくなって、そして主人公エテロを抱きしめにジョージアに行きたくなる、そんな素敵な映画です。
保坂健二朗 (滋賀県立美術館ディレクター)
「死よ、お前に神の救いあれ お前のおかげで生は美しい」。ジョージアを代表する作家ヴァジャ・プシャヴェラの詩の一節。本作を観てこの言葉を思い起こした。ひとり自由を尊ぶエテロが抱えた死と生の拮抗、ままならない人生と性、夢と現実のなかで揺れる思い。エテロには、多くの人にはまだ聴こえない黒ツグミの歌声が鮮やかに聴こえている。
はらだたけひで (ジョージア映画祭主宰・画家)
「ひとりだけど、生きていける」と確信している女を、この世界はなぜ恐れるのだろうか。エテロは私たちに問いかける。野太い声で世界を語り、深く世界を見つめながら。
堂々と、実に堂々と生きるエテロの眼差しの先には、何があるのだろう。
北原みのり (ラブピースクラブ代表・作家)
これまでほぼ半世紀にわたって生きてきた時間の重みをたたえた女の体と、物理法則を超えるまなざしの力。絶妙な色合いの日常風景。ジョージアのベストセラー小説が原作とのことだけど、なるほど映画化する意義がある。
野中モモ (ライター・翻訳者)
タイトルからすぐにThe BeatlesのBlackbirdを想起した。エテロはビートルズより、からりと軽く飛ぶ。彼女の言葉は的確で、この先の人生の選択も的確であることは疑いようもない。彼女なら決して自分を不幸へ追いやらない、という圧倒的信頼感の中で頂戴しました、この超ハッピーエンドを。
大九明子 (映画監督)
エカ・チャヴレイシュヴィリ、
なんて堂々と魅力的なことか!
初めての恋に戸惑いながらも、
自分らしさを誇るようなエテロのありのままの裸体が眩しい。
どんなに悪様に言われようと人生を肯定し、軽やかに我が道を行く彼女の生き様に、なんだか勇気づけられた。
宇垣美里 (フリーアナウンサー・俳優)